備前焼 の窯元 「備前一」
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備前焼について

 

●備前焼とは

 

 多くの書籍やホームページなどの解説では「六古窯(ろっこよう)のうちの一つで・・・」とか「無釉(むゆう)で長時間焼き締められた・・・」と難しい説明が並び、これから備前焼を楽しもうという方には今ひとつピンとこないかもしれませんね。ここでは、難しいことは無しに簡単に備前焼の特徴とその”魅力”をお伝えします。

■温かみのある陶器
  一口に”焼き物”と言われている陶磁器も”白くつやつやした洋食器”に代表される「磁器」と、”植木鉢や土鍋”などから想像される「陶器」とに分かれるかと思います。その違いは主に”材料”でして、”陶石”と呼ばれる石を細かく砕いて土としたものを「磁器」、粘土から作られるものが「陶器」になります。簡単に言うと、「白くてツヤツヤしてて指で弾くと硬い金属音が響く」のが”磁器”、その反対に「手触りがあり土色をしてて吸水性がある器」が”陶器”、こんなところでしょうかね。
  もっとも、専門的な見地から見ればずいぶん乱暴な分け方と言えますが、ここは学問的な解釈より”備前焼”を知っていただく場所なのでこれで構わないこととします。
  さて、「では備前焼は?」と言えばというと後者の”陶器”の仲間に入りますが、この粘土から出来上がった質感と手触りが”独特の温かみ”となって現れてきます。

 

●"窯変"とは

 

胡麻(ごま)
 燃料に使われる”赤松”の灰が窯の中で舞い上がり、一つ一つの作品に降りかかります。
この時に高温にさらされた灰は熔けてしまい作品の表面に付着・溶け込みますが、この時の焼き上がりが「あたかも胡麻を振りかけたよう」に見える事から”胡麻”と呼ばれています。
 
 このとき焚き口に近い(火元に近い)時は付着する灰も多くなり、また高温にさらされた灰は熔けて流れ落ちる事もあります。
このように窯の中の位置によってまた、お互いの作品の場所・向き・位置関係なども窯の中の”火の流れ”に影響しそれぞれ”胡麻”の付着具合が変わってくるのです。

胡麻の種類は、「胡麻だれ」、「飛び胡麻」、「かせ胡麻」など焼き上がりの表情により変化します。

 

緋襷(ひだすき)
 昔は大器を運ぶ際には縄でくくっていたそうですが、縄をはずさずにそのまま窯の中で焼き上げるとその跡が表面に残ったりしました。この時縄が直接火にさらされていない時(蒸し焼き状とでも言いましょうか)の縄が模様となってのこります。
  この現象は作品の”底”や作品を積み上げて”重なった部分”などに良く見られます。
 
 現在では、この模様を意図的に”表情”として作り出す事が多く、縄の代わりに稲藁を叩いて柔らかくした物を作品に巻きつけて発色させています。

  直火にあたらず陰になっている部分で得られる表情から、”胡麻”ができる状況とは正反対の環境で出来上がるのが特徴です。

 

桟切り(さんぎり)
 作品が燃料である赤松の炭に触れると、土に含まれている鉄分と墨の炭素が結びつき発色します。
もともとは燃料が燃えているそばでよく取れる作品なのですが、現在では意図的に焚きあがりの時に炭を投入してこの発色を出す事があります。
 
 この窯変は窯の中の状態や炭を投入する量、場所、時期により変化するため作品一つ一つの変化が多用しファンの人気も根強いものです。

 

焚き口付近の作品
 高温にさらされ、薪が直接触れる機会があるなど作品にとっては最も苛酷な環境で焼きあがった作品。それゆえ割れてしまうものも多々有り、取れる作品数も極めて少ないと言えます。

  このような厳しい環境で焼きあがった作品は発色や肌の変化も激しく、ダイナミックな男性的な作品として人気が高いです。
窯出しの際に一番注目される作品と言えるでしょう。
 

 

●お手入れの仕方

 

煮沸しておきましょう
 「備前すり鉢、投げても割れぬ」なんて言葉が伝わってますが、大事に扱っていただきたいのはもちろんのことで、御購入直後のお手入れにつきましても皆様にオススメしております。
  とは言うもののそれほど大層な事ではなく、「軽く煮沸」していただければそれでOKです。(右写真)

  やり方は簡単で、まず器を綺麗に水洗いし、器が入る程度の鍋に水を張り(器全体に水がかぶるくらいの量)煮沸するだけです。簡単ですよね。
  ただ注意していただきたいのは「強火でグラグラ煮ない」という事で、それにより器どうしが打ち付けあうのを防ぐことが出来ます。
  時間は30分から1時間も行えば十分です。火を止めた後は十分に冷えてから取り出してください。

 

使い込むほど手になじむ"備前"
 備前焼はその”丈夫さ”から「生涯の伴侶」と呼ばれることもありますが、備前焼の魅力はそれだけではありません。、”須恵器”をルーツに持った、釉薬を使わない素朴な温かさは使い込むほどに焼色に深みが増すようになり、艶も出てきます。
購入直後の備前焼(右写真上)は素焼き独特の肌触りで温かみの中にも”若さ”、”息吹”が感じ取れますが、使い込むことにより段々とその表情を変えていくのです。

このように長い付き合いをしながら器を育てていく様子が”生涯の伴侶”と呼ばれる所以かもしれませんね。
 ”食器”として使うことを目的に備前焼を御購入された方からみると、確かに高価な買物かもしれません。
「ついうっかり落としてしまったらどうしよう…」、「使い続けていくうちに欠けたら勿体無い…」、「乱暴にしないように気を使うのは疲れる…」、そんな理由で出番が減ってしまっている器たちも少なくないかもしれません。
  ”高価な器”は出番が少なく、値段を気にせず手軽に手に入れた器はよく使われる。どんな御家庭でもありがちですが、備前焼は生き物です。そう、”生涯の伴侶”なんです。使えば使うほど色艶が良くなり、器に深みが出てくるんですよね。

  高価な値段に迷いながら思い切って買った高級な器よりも、よく使いこまれた”お客様用の湯のみ”のほうが(写真下)味わい深く高級感が出てくるのは面白いですね。
  皆様もぜひ、自分だけの器を育ててみてください。